多賀源太郎「脳と身体の動的デザインー運動・知覚の非線形力学と発達」(金子書房)
今日も当直。
近頃はmental conflictばかりがぐるぐると頭の中を駆け巡る。
平和な夜に、多賀源太郎「脳と身体の動的デザインー運動・知覚の非線形力学と発達」を読む。だいぶ前に購入しながら、ずっとほったらかしにしていたのだけれども、前回紹介したVarelaの論文を読んだ後、僕は自然とこの本を手に取った。
以下、抜粋(改変)。2/3を読み進めた今のところ、ここに本書の要旨が述べられている。
「本書は、歩行を創発的な現象ととらえ、歩行を作り出す脳神経系、身体、環境を、自己組織的に時空間パターンを生成する非線形力学としてデザインするという作業を通して、システムの動作原理に迫ろうとするものである。グローバルエントレインメント(著者の造語)というシステムの作動機構によって脳神経系、身体、環境が強く相互作用し、その結果として運動が生成されることを示している。脳が運動を作るのでもなく、環境が運動を引き起こすのでもなく、それら全体の非線形力学によって運動が自己組織的に生成されるのである。これは、環境と脳とが強結合した状態といえる。」
これは、まさしくVarelaとMaturanaがAutopoiesisの枠組みで述べた「構造的カップリング」ではないか!と、驚く。やっぱり、たどり着くところは同じなんだ。論考と実証の具体性は、むしろもっと先を走っているかもしれない。そして、このようなシステムの相互的な関係のダイナミクスから現象を読み解くというアプローチは多賀源太郎の師である清水博によって方向づけられたものだという。うーむ、やっぱり避けて通れないんだ。
そして今日も、いくつかの本が届いた。
"Progress in Brain Science.vol 150.The Boundaries of Consciousness:Neurobiology and Neuropathology" edited by Steven Laureys.Elsevier 2005
あと、ユング心理学の本と、清水宏の本。これらは時間をかけて読もう。
今日の音楽:Red Buddha"Siddhartha in Space"
Psychedelic-Chill Out-Trance-Tribalの流れ。西洋から観た東洋的な音楽はこてこてのゴシック調にまみれているのだけれども、彼らの無邪気でExoticな郷愁が僕ら東洋人に外からの視点を与えてくれる。
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コメント
ほほーー、次は多賀さんときましたか。彼と初めて会ったのはS医大の食堂たったかも。いろいろ話した後、なんと清水博先生の弟子だったのだと知って驚いた記憶がある。
自分は1984,5年ごろ、清水博先生の本を読んで、普通の科学者にはないものを感じた。そうなのです、清水先生は避けては通れない人のなのですよ。
いつか、多賀先生、TKHT君とRTで清水先生を囲んで、酒でものめるといいですね。
投稿 R.T | 2005年12月19日 (月) 23時06分
R.T先生には僕の意図がすべて見抜かれているようです(笑)。
R.T先生は多賀先生ともお会いしているんですね。もし清水先生と会えたらすごいことです。これは偶然手にとった本なのですが、近い考えを持つ人はお互いに引き合う力を発しているのかもしれないですね。
清水先生の本はゆっくり時間をかけて読もうと思っています。
投稿 わるねこ | 2005年12月20日 (火) 13時03分
Newberg A, Pourdehnad M, Alavi A, d'Aquili EG.Cerebral blood flow during meditative prayer: preliminary findings and methodological issues.Percept Mot Skills. 2003 Oct;97(2):625-30.
この著者たちの著書で翻訳されているものがあるのをご存知でしょうか? 日本語訳は「脳はいかにして神をみるか」というタイトルです。たいへん興味を惹く言説が展開されています。
投稿 R.T | 2005年12月20日 (火) 23時42分
この本はまだ読んでいません(タイトルは聴いたことがあるような気がします)。Newberg.Aという人の名は何度か論文で見かけた記憶がありますので、早速探してみます。
こういう本を書くのは多大な勇気がいると思います。一歩間違えれば猛烈な批判を浴びそうで、表現には気を使わなければならないでしょう。その中でも面白い言説を展開できる思考力というのは、やっぱりすごいですね。
投稿 わるねこ | 2005年12月21日 (水) 00時58分