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2006年2月 1日 (水)

Wolf.Singer.Consciousness and the binding problem.Annasl New York Academy of Science

今晩は当直。雨のせいか、ネコの夜鳴きは聴こえない。

Wolf.Singer.Consciousness and the binding problem.Ann N Y Acad Sci. 2001 Apr;929:123-46.

Wolf Singerによる意識とbinding problemに関する総説。彼のこれまでの実験データを基にしているにはせよ、とてもspeculativeな内容。binding problemは、単なるニューロンの機能的な結合に関する問題ではなく、ニューロンによる情報のコーディングに関する問題なのだと思う。

結構、量の多いreviewだったので、細部は省略してメモ。

意識のある側面はawarenessとして現象学的に体験される。このawarenessも一次の感覚処理を担うプロセスと同様の機構によって遂行されていると考えられる。この意味で、explanetory gapは「脳はどのようにして認知的な機能を遂行するのか?」という問いに帰納的に置き換えることができるだろう。この問いに対する解答が、仮に感覚情報処理プロセスにおいて得られたならば、発見されたストラテジーはより多様で高次な認知プロセスにも当てはめることができるだろう、というのが問題設定とその前提。

以下、SIngerの論旨。

1.Phenomenal awareness emerged from iterations of cognitive operation.
phenomenal awarenessは一定の共通特性を有するcognitive operationの反復処理(イテレーション)によって創発される現象である

2.Such iteration is achieved in the cortical network.
これらの処理は皮質のネットワークにおいて行われる。下位のエリアが感覚入力を受ける際と同様のメカニズムが、下位から高次のエリアへの出力の際にも作動することにより、cognitive operationイテレーションが行われる。

3.Dynamic and self-organizing assciation of neuron into functional cell asssemblies.
cognitive operationが協同的で相互関係的な柔軟性を有するためには、個々のニューロンが独自にcontent-specificに反応するだけでは不十分で、分散したニューロンのdynamicかつself-organizingに連合し、機能的にコヒーレントなassembliesを形成する必要がある(binding)

4.Neural synchronization as a signature of the dyamic and self-organizing processes.
複数のニューロンをcell assembliesへと機能的にグループ化し、さらに機能的な関連性(relatedness)を有するために必要なbinding mechanismは、ニューロンの発火がミリセカンドレンジの精度で一定時間、同期することが必要であると考えられる。したがって、このような一定時間の同期現象は、空間的に分散されたニューロンが機能的にコヒーレントなassembliesを形成するのに必要なdynamicかつself-organizeingなプロセスの痕跡signature(指標と訳した方がよいかもしれない)とみなすことができる

5.Requirement of the activated brain states and modulation by attentional mechanisms.
このようにダイナミックに連合し、同期したassembliesが形成されるためには"desynchronized"EEG patternによって特徴づけられるようなアクティブなbrain stateが必要であり、これらはattentionによってモデュレートされる

これは、2001年のreviewだから、少し古い内容かもしれないが、決定的に重要な問題について述べられており、色々と考えさせられる内容。
考察は明日書こう。

ちなみに、今日Ablesの"Corticonics"が医局に届いていた。これは出版が1980年代で、かなり古いのだけど、今でもよく引用されているので、前から気になっていた。数式だらけで嫌な予感がするが、この本は避けて通ることができない本だ。

Singer W. Consciousness and the binding problem. Ann N Y Acad Sci. 2001 Apr;929:123-46.

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コメント

偶然、「精神医学的勉強覚書」を読みました。
素晴らしい覚書です。
とても参考になります。
僕はリハビリテーション領域で「認知運動療法」というのにかかわっています。
情報交換したいのですが、無理でしょうか。
突然のメール、失礼しました。

投稿 宮本省三 | 2006年3月 2日 (木) 17時48分

宮本先生、
先程メールを送らせていただきました。
同じ志しを持った人との出会いこそが、このブログの本望です。
情報交換、議論、論争、大歓迎です(僕はときどきいい加減なことも言いますが)。
よろしくお願い申し上げます。

投稿 わるねこ | 2006年3月 3日 (金) 00時21分

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