neural coding
先週は渚音楽祭に夜間だけ参戦した。日本人ってこんな人種だったのかと驚くとともに、うれしかった。
今日は当直中。いつの間にか、もう明るくなってきた。最近読んだ論文。
半分眠りながら書いているので、あとで読み返すと訳がわからないかもしれない。
Helekar SA.On the possibility of universal neural coding of subjective experience.Conscious Cogn. 1999 Dec;8(4):447-54.
これは僕たちが師事する先生の書いた論考に紹介されていた論文。読み応えのある論文だった。以下メモ。
「主観的体験が神経活動のパタンにおいてどのようにcodingされているか?」というneural coding問題に関するかなりspeculativeな内容。
主観的体験はニューロンの発火パタンと「相関」していることは間違いないと考えられる。この相関関係(Neural Subjective linkage)にはarbitrary mappingとnon-arbitrary mappingの2種の相関関係に集約される。
arbitrary maping:主観的体験は神経活動のパタンとcoincidentalな関係にあり、ある神経活動のパタンがどのような主観的体験と相関するのかを確定することができない。arbitrary mappingではgenetic codeが顕著な例として挙げられ、trinucleotide codonと特定のアミノ酸との関係は必然的なものではなく、進化や発生の過程でarbitrarilyに決定されたもので、directな拘束条件が介在しない。。実際にtransfer MRAをいじくってやれば、この相関関係を改変することも可能である。もしもNeural-Subjective linkageがarbitrary mappingであれば、主観的体験と神経活動のパタンとの相関関係は現在の横断的な研究では解析が困難となる。仮に解析が可能ではあっても様々な介在するファクターとの相互作用を同定する必要がある。
non-arbitrary mapping:主観的体験は神経活動のパタンと何らかの拘束条件によってfixされている。このような関係では、いくつかのニューロンの活動パタンのサブセットは、特定の主観的体験のサブセットと対応していると考えられる。たとえばDNAの遺伝情報とタンパク質はnon-arbitraryな関係かもしれない。現代の神経性学、Neuroimagingによって得られたデータはnon-arbitrary mappingを支持していると考えられる。このようなnon-arbitraryな相関関係によれば、極論すれば1対nのfixされたNeural-Subjective linkageが存在することとなり、これを一つ一つ調べていけば、神経活動パタンにおける主観的体験のencodingを解析することができる。さらに、これがあらゆる個体に共有する原理であるならば、Neural-Subjective linkageにおける一種の"Universal coding"を特定することができるかもしれない、と。
Helekarは、Neural-Subjective linkageはnon-arbitrary mappingであると語る。
彼によれば、神経活動の時空間的な活動パタン(Motif)が時間的に配列されるパタン(Sequences)が主観的体験をcodingしていると唱える。発火率だけでなく、発火の同期性がこのようなSequencesの組織化を可能としているという。また、反復されるMotifの数によって体験の強度が変化する。おそらく、これはDNAの遺伝情報と発現形態から思いついたアイデアであろう。Helekarによればcodingの詳細はまだ明らかでないが、いずれはuniversal codingを特定できるのではないかと語る。
情報は図と地という構造をとる。Helekarのnon-arbitrary mappingは主観的体験に相関する一見ノイズの海のような神経活動パタンから図(sequence)と地(noise)を分離しようとする一つのモデルともいえる。詳細はとばし読みだったが、情報論的な数学的モデル(単純なもの)のようなものも呈示していた。
僕は、non-arbitrary mapping説、というかcoding説自体に懐疑的で、結局はNCCと同一の思考様式ではないかと考えている。この説明は因果関係のone-wayの説明しか生みださない。主観的体験が神経活動のパタンに影響を及ぼすことをも説明するようなreciprocalな因果作用の理論あるいはその作動原理を手にしたいのである。それに、Helekarは否定的だがNeural Subjective linkageにはnon-arbitraryだけでなく、arbitraryなmapping関係も貢献している可能性だってあるだろう。
ただし、実際に一見ランダムにみえる神経活動パタンから、γ帯域の同期性発火や反復されるシークエンスのように高度に秩序化された発火構造が存在することが明らかになりつつあるのも事実だ。こういった発火パタンが情報の「担体」となるのではなく、発火パタン自体が情報なのだろう。synfire chainなどのように一定の時空間パタンをもつsequenceともつながる話かとも考え、示唆に富む論文であった。
最近買った本
Lonley Planet"Pakistan & Karakolm Highway"僕はいつかクンジュラブ峠をいつか超えて、Hunzaに沈没してみたい。
今日の音楽:Ben Watt"North Marine Drive"(LP)
80年代後半にBen WattがTracy ThornともにEverything But The Girlを組む前のソロ作品。10代で聴いておいて良かったと思うレコード。僕(たち)は渋谷宇田川町のネオアコのシーンを崩壊させて、そういう僕自身だってレコード棚から引き出すこともなくなってきたのだけど、このアナログレコードは今でもときどき聴いている。あの頃の流れで好きだったのは、Durutti Column、My Bloody Valentie、Jim Jimineeだった。
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