Kristof Koch"The Quest for Consciousness"(Roberts and Company,2004)
先週はYemenで出会った旅行者と都内で密会。みんな、色んな国に行っていて、うらやましい。僕も今年の夏こそはカラコルムハイウェイを縦断しようと思う。早速Lonley Planet"Karakolm Highway"を購入。
最近読んだ本(飛ばし読み)
Christof Koch"The Quest for Consciousness"(Roberts and Company,2004)
NCCについて考える際に、Metzingerの"The Neural Correlates of Consciousness"と同じくらい重要。F.Crickの"Astonishing Hypothesis"に比較してspeculativeな記述は徹底的に抑制され、冒頭では「脳の神経活動は主観的体験の出現にとって必要かつ十分である」とかなりラディカルな見解を述べている。また、彼らが90年頃に初めて提唱した40Hz帯域の同期性活動については「あれは、誤った仮説だった」とあらためて否定し、Edelman(名指しで)のようなWholisticなアプローチではなく、visual NCCを特定することが意識の科学的説明の最短経路であるとしている。
彼らのNCCの定義は、Chalmersの定義と似ている。
NCC:特定の意識的な知覚が成立するために十分な神経活動の結合事象(jointly sufficient)の最小単位の組み合わせ
さらに、神経システムを表象システムと捉えた上で、(visual)NCCであるための必要条件として、以下の5つを挙げている。
(1)視覚刺激の知覚属性(stimulus attributes)はNCCにおいて明示的explicitlyに表象されている
(2)NCCが活動を停止あるいは損傷されると、刺激属性は知覚されない
(3)onset、amplitude、durationなどの関連する神経活動のパタンは刺激属性のawarenessとtrial by trial basisに相関している
(4)NCCに関連する刺激属性は、感覚入力を中断させるが知覚は妨げない瞬目や眼球運動に対して不変である。
(5)NCC を構成するニューロンは計画や遂行機能を担う領域に投射している。
Koch(とCrick)はbiocular rivalryを用いたLogothesisらの実験を引用して、上記の条件を満たすvisual NCCはV1には存在せず、ventral visual coretex(extrastriate付近)にあるのではないか、と結論づけている。
タイトルの通り、20章におよぶ本書は「NCCはどこにあるのか?」という、まさしくNCCを探求するための旅という内容。
また、NCCに対する批判的見解としては、以下の論文を読んだ。
Evan Thompson,Alva Noe:Are there Neural Correlates of Consciousness?:Journal of Consciousness Studies,11:3-28,2004
Ilya Farber .How a neural correlate can function as an explanation of consciousness
Thompson E, Varela FJ.Radical embodiment: neural dynamics and consciousness. Trends Cogn Sci. 2001 Oct 1;5(10):418-425.(以前、紹介)
ただし、この辺の議論は錯綜していて、あまり深入りしたくない。
今日の音楽:Bliss"They made history"(CD)
Ambient〜Chill Outで最も勢いのあるDenmarkのMusic for Dreamsからの新譜。抑制された足取りでヨーロッパ、アフリカ、アジアを密かに巡る、夜の音楽。少しだけ参加した渚音楽祭で購入した。
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