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2006年5月16日 (火)

The brainweb: phase synchronization and large-scale integration.

昨日はタイフェスティバル。仕事の隙をみて、少しだけ参加。ドリアンを3つ購入して退散。

最近読んだ論文。

Varela F, Lachaux JP, Rodriguez E, Martinerie J.The brainweb: phase synchronization and large-scale integration. Nat Rev Neurosci. 2001 Apr;2(4):229-39.

Francisco VarelaによるReview。脳には複数のfrequency-bands(α〜β〜γ)にわたるphase synchronyが存在し、cell assembliesのようなlocalなsynchronyではなくて、脳の分散された領域を統合するlarge-scaleなsynchronyが意識のコヒーレントな成り立ちを可能とするのではないか、という話。
Varelaは、脳は安定したなアトラクターをもつシステムではなく、on-goingな活動によって可変性をもつシナプス効率が動的に変化し続け、アトラクターがself-limittingに設定されるmetastableなシステムなんだろうと指摘している。

ちなみに、phase synchronyの数学的な定義は全く理解できなかった。


ニューラルネットとかアトラクターという話で、ふと思い出したことを一つ。以下、僕の無責任かつ素人な考察もあり、注意。

僕たちの体験する意識の状態=神経システムの発火パタンは可能性としては膨大なレパートリーをもつ。しかし、神経システムには、発火パタンの安定性が局所的に高まる「窪み(アトラクター)」があって、極端な不安定な状態は確率論的にとりにくいと考えられる。実際にニューラルネットの活動パタンは、このようなアトラクターに収束する傾向をもつ。神経システムは数msのtime scaleでアトラクターを次々と遷移しているmetastableなシステムと捉えられる。このようなニューラルネットの特性から生み出されるアトラクターは、おそらく有限個のパラメータで規定されており、経験を通じて後生的に変化するパラメーターも存在するだろうし、また多くのパラメーターは遺伝子などによって生物学的に固定されているだろう。つまり、意識のとりうる状態は完全に恣意的ではなく、ある程度の生物学的な文節化の傾向が存在するとも言える。

このようなニューラルネットの観点からSchizophreniaの症状を考えてみた場合、妄想とか異常体験を、上記の一定の「傾向」から逸脱した異常なアトラクターの生成として捉えることもできる。このような異常なアトラクターは、例えばシナプス効率の変化や神経細胞の遊走や接着やpruningなど、有限個のパラメーターのいくつかが異常値をとることによって生成される。結果として、このようなシステムでは、内的あるいは外的な入力に対して安定した挙動を示すことができず、異常な発火パタンに収束する傾向があると考えられる。

いささかspeculativeではあるものの、神経活動との相関からイメージしやすいSchizophreniaの捉え方を、確かHoffmanというニューラルネットの人が唱えていたはず。論文のタイトルは忘れてしまったが、探してみよう。

最近買った本:Synchronization : A Universal Concept in Nonlinear Sciences (Cambridge Nonlinear Science Series,2003)
読めるか、どうか。

今日の音楽:Pan American"Quiet City"
Tim Heckerを経由して知った、noise〜ambient〜electronicaの作品。とりとめなく揺らいでいて、音の輪郭を定めにくい。梅雨どきに窓を全開にして、じんわりと湿った空気の中で聴くといいだろう。

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