Intersubject synchronization of cortical activity during natural vision
最近読んだ論文をメモ。
Hasson U, Nir Y, Levy I, Fuhrmann G, Malach R.I:1634-40.Intersubject synchronization of cortical activity during natural vision.Science. 2004 Mar 12;303(5664)
Pooneilさんのところで見つけたイスラエル人のf-MRI-studyのなかなか面白いscience論文。"intersubject synchronization"という言葉が凄い。
5人の被験者のそれぞれに同一の映画("The good,the bad, and the ugly"という1966年の古い映画。どうやら西部劇らしいらしいが、僕は観たことはない。)を見せたとき、同一個体の脳内の複数の領域の活動に相関関係(inter-region synchronization)が認められた。さらに、5任の被験者の皮質活動のspatio-temporal patternの間にも、高度な相関関係(intersubject synchronization)が認められ、そのような相関関係は視覚野のみならず聴覚野や連合野などにも広く認められた。
また、ある被験者のvoxel-baseの活動パタンのタイムコースが、別の被験者の皮質の活動パタンを有意なpredictorとなること(intersubject correlation)が確認された。さらに、面白いのは被験者の皮質の活動パタンから、映画のシーンの特定の属性を逆推測することが可能であった(reverse correlation)。このreverse correlationで得られたマッピングは、conventionalな皮質のマッピング構造と類似していたという。例えば、mid-central sulcusで得られた活動パタンのタイムコースの一区間から16個のsaliencyを選び出し、それらに時間的に対応した映画のシーンを調べてみると、16個中15個までがデリケートな手の運動を伴うシーンであったというような・・。また、fujiform gyrusは「顔」がクローズアップされるシーン、collateral sulcusは「建物」が出てくるシーンなどに選択的であった。
所見。この論文が単純でpre-determinedな課題や刺激を用いていたらそれほど面白い結果にはならなかっただろう。しかし、ダイナミックで複雑なnatural visionに曝されたときにも複数の脳の少なくともある一定の領域が同様の活動パタンを示す(intersubject synchronization)という結果は、よくよく考えてみると当然予想されることながら、こういうデータとして示されると新鮮だった。僕たちが同じ映画を観ているとき、少なくとも「脳」は同じものを「みている」ということになる。Hassonの考えたreverse correlationで言えば、脳の活動パタンから世界のある部分を再構築することがすることがあながち不可能ではないのかもしれないなどと考えてしまう。今後spontaneous activityとか、resting stateとか、こういうfree viewingのデータは増えてくるだろう。
今日からしばらく、KelsoとBresslerの論文を読み込む予定。最近読んでいたBasarとか、Hakenの論文の流れで。
今日の音楽:手嶌葵「テルーの唄」
外伝以外は全部読んだ。主題歌はいい。ただし、映画は原作とは全くの別もの。
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