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2007年2月 3日 (土)

独り言

最近は研究室の発表で、同期と意識、統合失調症についてレビューする必要があり、昔読んだ論文にも色々と目を通しているところ。

最近の個人的な興味は、特定の条件でいかなる時空間的パターンの同期が生じるかということよりも、脳内の特定のネットワークがどの程度まで同期しやすい傾向にあるのか(synchronizability可同期性?)ということ。
synchronizabilityも、グラフ理論やシミュレーション関連の分野ではかなり研究されているみたいだが、神経科学ではまだまだこれからの分野である。
とは言ってもsynchronizabilityについては神経科学の分野でいくつかの論文が出ていて、やはりsmall-world networkとの関連が重要で、特にネットワークのcharacteric path lengthがcriticalらしい。
また、大局的な同期は低い周波数帯域(α、δなど)で起こりやすく、局所的な同期は速い周波数帯域(γ帯域)で起こりやすい傾向があるようだ。

また、脳内の相転移phase transitionや、パーコレーションpercolationなども、synchronizabilityとも関連することとして気になるところだ。

相転移とは、たとえば水分子の集まりが液体から個体に突如変化するような、典型的な非線形現象である。
パーコレーションとは、ネットワーク上で任意のノード同士が互いに結合する確率を上げていったとき、ある閾値を超えると突如としてひとまとまりの無限遠の広がりをもつクラスターができることである。現実社会では、たとえば流行や感染症が社会全体に蔓延する現象や、地域全体に道路網が構成されるプロセスに相当する。

ちなみに、同期現象が伝播、浸透して、transientでグローバルな同期が実現するというのは、このパーコレーションや相転移に似ていなくはないだろうか?
実際にYusteらの研究で、脳はDOWN状態からUP状態へと相転移し、同期は常にUP状態で起きているらしい。
グローバルな同期現象が数百ミリセカンド持続することを考え合わせてみると、脳のネットワークの中でパーコレーションのような事態が起きている可能性は十分にあり得ると思う。
そして、相転移やパーコレーションのような現象が実際に起きているとして、それらが何の機能的重要性ももたないとは到底考えにくい。むしろ、このようなマクロな振る舞いによって、脳内で高次の心的現象が符号化(コーディング)されている可能性も考えられないだろうか。

情報の符号化の階層性という観点から言えば、意識や主観的体験は、ニューロンの発火率やおばあさん細胞のようなシングルニューロンレベルのコーディングではなくて、あるいは局所的なアッセンブリのレベルでもなく、もう一つ上のオーダーである相転移や同期、パーコレーションのようなネットワーク全体のダイナミクスのレベルでコードされているのではないかなと思う。
そして、Schizophreniaでみられる主観的体験の異常も、シングルニューロンレベルの異常からくるものでは決してなく、おそらくは意識と同じようにネットワークダイナミクスのレベルで起こっているのだろう。

とか考えていたら、最近neuro-percolationなんていう言葉もみつけた。

最近読んだ本小田垣 孝「つながりの科学ーパーコレーション」

今日のDVD:「蟲師」
1巻から3巻まで観た。

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