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2007年5月

2007年5月30日 (水)

5月は

5月はこの1年くらいで最も忙しかったような気がする。
入院もできるだけとって、論文も片っ端から読んではいるけど、うーん、ほとんど頭に残らない。
余裕の無さから中途半端になったしまった部分で、人に助けてもらっているのがとても有り難い。

そんな中、Boards of canadaを聴くのと、夏休みの旅の計画を立てるのが心の救い。
流動的だけど、今のところウズベキスタンとトルクメニスタンを考え始めている。
またイスラム圏になりそうだが、中央アジアの仏教遺跡にも興味がある。

最近、見つけた論文。
Breskin I, Soriano J, Moses E, Tlusty T.Percolation in living neural networks.Phys Rev Lett. 2006 Nov 3;97(18):188102. Epub 2006 Oct 30.

Neural pecolationに関する研究。
マウスの脳の切片を取り出し培養的に入れる→ニューロンの受容体を様々な濃度の薬物でブロックして、connectivityを段階的に調節する→切片にグローバルに電流を流し、ニューロンの発火をfluorescent calcium indicatorとCCDカメラでモニターして、パーコレーションプロセスを調べた、という実験。物理畑からの論文で、数学的な詳細は僕には理解できなさそうだが、時間が空いたときに読んでみたい。

今日の音楽:Boards of canada/High Scores(12inch)
今も昔も変わらず、Boards of canadaは良い。

最近のDVD:「プラネットアース DVD-Box vol.2」
これは、凄い。特に、世界の高山を空中撮影した最初のタイトルには、クラクラときた。
カラコルム山脈が出てきたのもうれしかった。

最近の気に入り:水出し珈琲
前の晩に冷蔵庫にセットしておけば、翌朝になると美味しいアイス珈琲ができているのでうれしい。アイス珈琲なら水で抽出する方が、嫌な匂いやアクが出ないので、お勧め。これから重宝しそうだ。

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2007年5月19日 (土)

ドリアン

先週末は、代々木公園で毎年恒例のタイフードフェスティバルが開催された。
最近は忙しいので、僕はほんの少しだけ立ち寄って、ドリアンを購入。
家に放っておいたら、猛烈な悪臭を吐き出し、蟻がわいた。

近頃は、時間があるときに、Buzsakiの本を少しずつ読み進めている。
ykenko1さんも書いていたように、これぞ僕らが求めていた本だという気がする。

色々と拡散的に勉強して、考えていると、ごく稀に断片的な知識から一気に全体的な理解へと移行する瞬間がある。
バラバラだった知識が互いにつながって、一つの知識へと収束するような感覚だ。
そうやって得られた理解は、実は当たり前のようなことだったりするのだが、一度こういったパーコレーションのようなことが起きると、個々の知識の理解や視点も前とは確実に違うものになる。そうなると、元の視点には容易には戻れなくなる。
直感的な洞察は、"aha experience"とも言われているけど、脳の中ではいったいどういうことが起こっているんだろうか?
こういう心理現象が起きるための諸条件はよく分からないけど、閾値のようなものがある気がする。
ちなみに、Schizophreniaの患者さんは、しばしば「突如として、全てが分かった」ような体験をするらしいのだが、収束点が違うだけで、本質的には同じような事態なのだろうか?

最近読んだ論文を一つ。
Ford JM, Roach BJ, Faustman WO, Mathalon DH.Synch before you speak: auditory hallucinations in schizophrenia. Am J Psychiatry. 2007 Mar;164(3):458-66.

Schizophreniaの幻聴と、neural synchronizationに関する論文。精神医学関連のジャーナルにも、ちらほらとneural synchronization関連の研究が載るようになってきた。

自発的な動作の直前に脳内に発生するneural synchronizationは、forward modelにおけるefference copyの生成を反映した神経活動だというのが著者の立場。efference copyによって体性感覚野に"corollary discharges"が生じ、これが自発的動作にともなう感覚をキャンセルさせる働きを担っているという。
で、これは幻聴やさせられ体験などの病的体験を、forward modelの立場から説明しようとした実験。

発語の直前に発生するprespeech synchronyは、健常群に比してSchizophrenia群で減弱しており、これを自発的動作に関連したforward modelの異常と捉えているようだ。

うーん、この辺りはかなり疎いので、ちょっとよく分からない。
ただし、これまで、Schizophreniaでは知覚刺激によって惹起されるneural synchronizationについて調べたものがほとんどだったので、その意味では新しいと言えるかもしれない。

Hammock/Kenotic (CD)
先日も書いたHammockの前作。chill〜ambient〜electronicaで、感情に訴えかけるような陶酔的なメロディー。

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2007年5月 5日 (土)

ゼルコバ

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「セルコバ」 最近知った、立川のベーカリー。
郊外の農家というような風情の店で、都心では到底不可能な雰囲気が漂っている。しかも、徹底している。オーガニックなどという陳腐な言葉ではない、強い意志を感じた。
とれたての無農薬野菜と一緒に手作りのパンが販売されている。作るパンは収穫した野菜によって決める、パンは無くなり次第販売終了とうように、とてもマイペースなベーカリー。広い庭には何匹かの愛くるしい猫がいて、猫好きとしてもちょくちょくと通うことになりそう。

最近、臨床面では個人的に反省することが多いが、同僚や病棟スタッフに助けられつつ、何とかやれている。

最近読んだ論文。
Lamme VA.Towards a true neural stance on consciousness.Trends Cogn Sci. 2006 Nov;10(11):494-501. Epub 2006 Sep 25.

意識の神経科学関連のレビュー。NCCを特定するための複数のアプローチとそこから得られたエビデンスについてよくまとめらていると思う。特に、意識関連の研究で選択されることの多い高次機能障害(blindsight、visual agnosia、split brain、neglect、extinction)、心理現象(backward masking、dichoptic masking、binocular rivalry、change blindness、inattentional blindness、attentional blink)の特徴、これらによって得られた現時点での結果、およびNCCに関連した帰結を列挙した表があって、これが視覚的に非常に分かりやすい。
Lammeは、EdelmanやDehaeneと同じような立場のようだ。例えば意識的な視覚体験が成立するためには、視覚刺激入力によって引き起こされる神経活動のfeedforward processingだけでは不十分で、widespreadな神経活動の相互作用が生じる必要があると述べている。具体的には、NCCの候補として、globalなreccurent processingを挙げている。これは、EdelmanとTononiの言うreentrant processingとほぼ同じと考えて良さそうだ。

Gallese V, Keysers C, Rizzolatti G.A unifying view of the basis of social cognition.Trends Cogn Sci. 2004 Sep;8(9):396-403.

こっちは、social cognitionに関するレビュー。ミラーニューロンに関連したsocial cognition、simulation theoryに関して最もよくまとまったレビューで、引用される機会も多い。social cognitionにおける、他者の行為の理解と推測、共感的認知にミラーニューロンシステムが関与していることを支持する間接的エビデンスが蓄積している。
例えば、とても臭い匂いをかいだ場合に体験する嫌悪感と、他者が同じ行為を行うことにより嫌悪感を示す表情を表出するのを観察した場合とで、共通の皮質領域が活動する。特に嫌悪感に特徴的なのが、島皮質前部である。島皮質前部への刺激は不特定の動作を引き起こすだけでなく、内臓感覚の異常をも引き起こすことが知られており、運動と身体の内部状態に関連した神経活動が収束するviscero-motor centerなのではないかと推測している。ただし、TOMやその他のsocial cognitionに関しては、simulation theoryだけで説明できるものではないと述べている。

Ford JM, Roach BJ, Faustman WO, Mathalon DH.Synch before you speak: auditory hallucinations in schizophrenia. Am J Psychiatry. 2007 Mar;164(3):458-66
schizophreniaにおけるauditory hallucinationとneural synchronization関連。これは、まだアブストのみ。

今日の映画1:「ククーシュカ  ラップランドの妖精」
今日の映画2:デヴィット・フランケル監督「プラダを着た悪魔」

最近読み終えた本:ダンジモンズ「オリュンポス」
前作の「イリアム」はとにかく衝撃的で、これがきっかけでちょっと前からギリシャ神話をゆっくり読んでいる。続編である本作も、複雑で重厚なSF。前作に比べて世間の評価は今イチらしいけど、僕は十分楽しんで読めた。むしろ、前作よりも短時間で一気に読み終えた。前作よりも展開が急で、終盤にさしかかって重要な疑問が解決されるのか心配になりハラハラしていたら、ついに解決されずじまい。確かに、シモンズがよくやる遊びに終始している感はあるが、厳密なSFとして読まなければ十分に面白い。

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