monte grande
今日観たDVD。
"Monte Grande" by Franz Reichele, 2005
Francisco Varelaの生涯と、autopoiesisからNeurophenomenologyに至までの思考の軌跡を追ったドキュメンタリー。未発表の作品も含めて、全4シリーズのうちの第1作がこの"monte grande”。
Varela自身のインタビューを中心に据えて、Humberto Maturana、Heinz von Forester、Evan Thompson、Antoine Lutzなど、Varelaと共同で実験を行ったり、論文を発表してきた人のインタビューが淡々と織り交ぜられるという構成となっている。
フィルムの前半は主にautopoiesisの理論が出来上がる過程について述べられていて、後半はneurophenomenologyからbrain imaging study、Buddhist philosophyまで、特にconsciousnessに関連した研究や論考について述べられている。
フィルムの途中で、ときおりinformationへのアクセスが挟まれているので、気になったインタビューの続きや、出演者のbiographyの詳細などをみることができるようになっているので、フィルムの全てに目を通すとなると180分くらいはかかるだろう。
サイバネティクス研究の先駆者であるForesterによれば、Varelaは新しく複雑な問題を前にしたとき、誰よりも速く、その問題に関連した膨大な知識を整理するだけでなく、その問題の本質を明快に抽出する才能に長けていたという。かなり早熟だった様子。
また、autopoiesisの理論が出来上がる過程で、かなりの年齢差のあるMaturanaとVarelaはかなり激しい口論を繰り返していたようで、Foresterがしばしば仲裁者のような役割を演じていたという。
フィルムには、Varelaの2人目の妻であるAmy Cohen Varelaや、チリ時代の旧友などの証言もあって、Varelaの人柄の意外な一面もかいまみれて興味深かった。意外にも、Varelaは、決して女たらしではないが、女性好きで、きれいな女性を見かけると、いつもあっけらかんと満面の笑みを浮かべていたということ。ちなみに、美術館でたまたまBjorkに出会ったときも、そうだったらしい。
また、義理の娘であるLeonor Varelaがかなり有名なハリウッド女優だというのも意外な事実。
Dalai Lamaとの出会いを契機としたチベット仏教への接近と実践は、このフィルムの中でも相当なウェイトを占めている。
晩年の度重なる肝細胞癌の再発と肝移植手術によって、常に時間的なリミットが迫りくる中で、最後まで思考を続けたVarelaの支えとなったのは、meditationであったという。
また、Mind and Life instituteでのセミナーを通したDalai Lamaとの実際の対話シーンや、Varela自身による仏教観とconsciousnessとの関係も語られている。
全編英語で、おそらく3分の1も理解できていないと思うけれども(Varela自身の英語が一番聴き取りやすかった)、Dalai Lamaが遠隔モニターを通して死の直前のVarelaに送ったメッセージには、不覚にも目頭が熱くなった。
今日の音楽:V.A"Mellow Dub"(CD)
軽くてnaturalでorganicな雰囲気のdubのトラックを集めたコンピレーション。部屋が少し涼しくなる。
| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/132728/16186238
この記事へのトラックバック一覧です: monte grande:
コメント