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2007年8月10日 (金)

psychosis and cortical gamma oscillation

今年の夏休みは、9月末から10月上旬にかけてウズベキスタンとトルクメニスタンを訪れることが決定。

トルクメニスタンだけは、どうしてもツアーを組まないと旅行できないようで、現地発の3泊4日のツアーをアレンジしてもらった。また、急ぎ足の日程になりそうだ。

ちなみに、トルクメニスタンは「中央アジアの北朝鮮」と呼ばれるくらいの独裁国家で、危険ではないが、お世辞にも個人で旅行しやすい国とは言えない。
「終身大統領」であったニヤゾフ亡き後のトルクメニスタンが現在どうなっているのか、余り情報は得られないけど、旅行に際して特に問題は無いとのことだ。

これで、またまたイスラム圏の旅が続くことになるが、トルクメニスタンには最も西に位置する仏教遺跡などもあって、楽しみ。
あと、新しくなったバンコクの空港も楽しみの一つ。

最近読んだ論文。

Wilson TW, Hernandez OO, Asherin RM, Teale PD, Reite ML, Rojas DC.Cortical Gamma Generators Suggest Abnormal Auditory Circuitry in Early-Onset Psychosis. Cereb Cortex. 2007 Jun 8

early-onset psychosisの患者群(10人、平均14.64歳)とcontrol群(10人、平均15.82歳)とで、monaurall presented click-trains(40Hz) を聴かせ、MEGによってgamma powerを調べた実験。

どちらのグループでも、gamma powerはright hemisphereのauditory cortexで優位。しかし、early-onset psychosis群では、control群に比べて、gamma powerとear-of-stimulation effectの低下がみとめられた。

ちなみに、ear-of-stimulation effectとは、click音を聴かせた側と反対側のauditory cortexで、より強いgamma-powerが惹起されやすいことを言う。early-onset psychosis群では、そのようなeffectが生じにくいということだ。
この研究では、このearly-onset psychosisにおけるear-of-stimulationの低下を、皮質ー皮質間のlong-range connectivityの異常として解釈している。

これまでのschizophreniaとgamma-band oscillationやsynchronizationとの関係を調べた研究では、もっぱら慢性期の患者群で調査されてきたが、この研究ではgamma-band oscillationの生成異常が、psychosis患者で発症早期からみられることを示唆している。

この研究に参加したearly-onset psychosisのグループには、schizoaffective disorder、bipolar disorder with psychotic symptoms、schizophreniaなど、psychosisといっても診断の異なる患者が含まれているが、"精神病症状psychotic symptoms"に共通するneural correlateの一候補として、gamma-band oscillationの異常が示唆されるということか。

Ioannides AA.Dynamic functional connectivity.Curr Opin Neurobiol. 2007 Apr;17(2):161-70.

最近の、f-MRIやPETを用いたconnectivity研究では、brain connectivityが"small-world topology"をもつことを示唆している。つまり、皮質は密なlocal connectionと疎なlong-range connectionによって構築されているということだ。このようなネットワークは、機能のsegregationとintegrationを両立することができ、僕らが抱く脳観に近いものがある。

最近は、技術の進歩にともなって、large-scaleなmulti-unit recordingやneuroimagingによって得られるデータは、以前とは比べ物にならない量になっている。脳のネットワーク構造を調べようとするときに、従来の方法論では膨大な量のデータを扱うには不十分であることが多い。このような場合に、グラフ理論などの数理的な解析による抽象化、一般化が威力を発揮する。

この論文は、f-MRI、MEG、EEGなどのneuroimaging methodsによるconnectivity研究における、グラフ理論の方法論、問題点などについて述べられたreview。

グラフ理論の簡単な解説から始まり、皮質のネットワークが"small-world topology"を示すこと、"functional connectivity"と"effective connectivity"の違い、EEGやMEGによるconnectivity研究における技術的、理論的なlimitationについて比較的分かりやすく解説されている(僕には分からないところもあったが)。

今日の音楽:Richie Hawtin"Minus Orange"
車の中で大音量で聴く。

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