theta/gamma phase coding
最近読んだ論文をメモ。
前置き:脳内には複数のfrequency rangeのoscillationsが走っていて、それぞれoscillationがcognitive processで異なる役割りを担っていると考えられている。しかし、その詳細はまだまだ不明な点が多い。
以前のエントリーで、「theta oscillationによるgamma oscillationのpowerがmodulateされる」というCanoltyの実験を紹介した。
また、ラットを使ったmulti-unit recordingでは、ラットの位置が変化するにつれてplace cellの発火のtheta phaseが、systematicなprogressionを示すことが知られている。これは、phase precessionと呼ばれ、oscillation(theta)のphaseが情報をcodeしているというダイレクトなエビデンスであるとみなされている。
最近、このようなoscillation関連の論文をいくつか読んでいて、oscillationとinformation codingについて少し気になっていたところで見つけたのがこの論文。
John Lismanは、これまでOle Jensenなんかと一緒にhippocampal oscillationとmemory encoding/retrievalの関係を調べた実験を色々とやっていて、この分野ではかなりの大御所のようだ。
Singeraこのreviewで、Lismanは、ラットのplace cellの発火が示すphace precessionのような振る舞いから、「gamma cycleにおけるphase自体は情報を担っておらず、theta cycleにおけるgamma subcycleの時間的関係が情報をcodeしている」と推測している。
つまり、gamma cycle内のexact timing自体は、脳のcoding strategyを考える上で重要ではないということだ。むしろ、gamma oscillationは複数のニューロン群のassembly formationを反映した神経活動のパタンとみなすべきである。その意味で、異なる情報は異なるニューロン群が生み出すgamma cycleによってrepresentされていると考えられる。
このgamma cycleは、いわゆるパケット式にひとまとまりの情報をcodeしていると考えられるが、そのphase自体に、少なくともラットの位置のような情報はcodeされていないということだ。むしろ、gamma oscillationと互いにカップリングしたtheta oscillationのcycleにおけるphaseが、個々のgamma cycleにtemporal orderを与え、sequentialな情報のcodingに寄与しているという。
ちなみに、ヒトがshort-term memoryに保持できるチャンクの数は7±2と言われているが、この数はtheta cycle(4-10Hz)内に含まれるgamma cycle(30-100Hz)の数に相当するのは興味深い。
まだまだエビデンスに乏しいけれど、このようなtheta/gamma coding strategyは、ラットの位置情報だけではなくて、海馬によるepisodic memoryのformation/recallにも関与しているのではないかと言われている。過去に、Jensenらは、theta oscillationとmemory encoding/retrievalとの関係をMEGを使って調べた実験を行っている。確かに、 episodic memoryは、個々の記憶の時間的なsequentialな関係の構築、再生と捉えることができそうではある。つまり、theta phaseがgamma cycleのphase refereceとして機能することにより、異なるassemblyによって担われる情報のsequentialなorderの構成に寄与しているのではないか、と推測されるのだ。今のところ、是非の判断はしようがないが、同じような意見は、確かBuzsaki本にもあった。
うーん、それにしても、日本語で書くのはむずかしい。
今日の音楽:HALCALI「サイボーグ俺達」(CD)
最近は、このCDくらいしか救いが無い。
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