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2007年9月24日 (月)

Dysfunctional long-range coordinatin of neural activity during Gestal perception in Schizophreenia

Dsc_0068先週末は、1泊2日で槍ヶ岳に登ってきた。上高地インの槍沢ルート。金曜日の夜に沢渡駐車場に着き、ここで深夜まで車内で仮眠をとった。朝5時に安房トンネルのゲートが開き、5時過ぎに上高地に到着。そこから延々と12時間歩き続けた。槍沢ロッジまでは快調にとばし、だいたい5時間くらい。2泊3日のスケジュールだとここで1泊する。僕らは、そのまま歩き続け、その日のうちに槍ヶ岳山荘を目指した。しかし、槍沢ロッジからは延々と上り坂が続き、正直かなりしんどかった。特に、槍ヶ岳山荘が見えてから、4時間くらいかかってしまったかもしれない。標高3000m超に位置する槍ヶ岳山荘でのこの時期の気温は5〜6度で、とても寒い。天気予報のためか、槍ヶ岳山荘は比較的空いていて、一人一畳分のスペースを確保することができた。

Dsc_0113山荘では、登山客が二段ベッドに並んで睡眠をとる。しかし、いびきがうるさくて、僕は2〜3時間しか眠れなかった。翌朝は5時前に起床して、出発の準備を済ませておいた。食堂で軽く朝食をとった後、身軽な装備で頂上を目指す。頂上付近は鎖場(くさりば)でとても危ない。写真のような岩場を鎖やはしごをつたいながら、慎重に登ってゆく。身体を確保するためのはしごや鎖がポイント毎に設置されているので事故はそう多くはないようだ。しかし、標高3000m超ともなると、しばしばかなりの強風と雨にあおられるので、さすがに怖い。山荘からだいたい30分くらいで頂上に到着した。ここで、同行者とがっちりと握手。しかし、頂上は狭く、2、30人もいると、満員になるくらい。風が強くて、とても立っていられない。

Dsc_0091日頃の行いがよかったのか、頂上ではブロッケン現象を初めて体験した。頂上に30分くらいいて、そのまま下山。下山を開始した直後に雨が降り始め、その日は結局ずっと降ったり止んだり。雨の中クタクタの足でひたすら歩き続け、上高地まで9時間くらいかかってしまった。
今まで海外(ネパール、パキスタン)でトレッキングをしたことはあったけど、山荘に宿泊するような形での登山は今回が初めてだった。頂上にたどり着ける可能性は低いと思っていたのだけど、最後の難所を除いて意外にも快調に登ることができ、少し自信を深めた。それに、疲れよりも、山歩きの気持ち良さの方が強かった。


来週末から、ウズベキスタン、トルクメニスタンを旅してくる。
うーん、ちょっと遊び過ぎかもしれない。

明日は大学で抄読会。

MaxPlanck instituteのUhlhaasとSingerらが行った実験で、Schizophreniaでneural synchronizationの破綻していることを報告した論文を紹介する予定。

統合失調症では大規模なneural synchronizationが障害されていることについて述べ、近年の統合失調症の認知モデル(Fristonのdisconnection hypothesisとかAndreasenのCCTCCとか)との関連について述べる。最終的には、少しspeculativeに、Kraepelinの"loss of inner unity"とか、Bleulerの""loosening of association"などの精神病理学的モデルとつなげてみようと思う。

以下、そのメモ。

Uhlhaas PJ, Linden DE, Singer W, Haenschel C, Lindner M, Maurer K, Rodriguez E.
Dysfunctional long-range coordination of neural activity during Gestalt perception in schizophrenia.
J Neurosci. 2006 Aug 2;26(31):8168-75

Participants:フランクフルト大学の入院病棟または外来で募集された19人の統合失調症患者と19人の健常被験者

Task:Gestalt face perception

Visual stimuli:Mooney face(Rodiriguezらが使っていたやつ)
face conditionではupright Mooney faceを、no-face conditionでは、inverted versionを提示する。

Experimental procedure:1ブロックあたり88枚のMooney face(44枚はupright、44枚はinverted version)をランダムに提示し、顔を知覚したかどうか被験者にボタンを押して報告させる。計4ブロックを施行する。

Electrophysiological recording:63個の頭皮上の電極から脳波活動を記録した。spectral powerとphase valueを、15-80Hz(β〜γ帯域)、-800から1000msの区間で解析した。neural synchronyについては、phase dataからPhase locking value(PLV、Lachaux)を算出した。

結果:まずbehavioralには、統合失調症患者で顔認知の成績が低下し、反応時間も遅延しているのは従来の知見通りだ。

次にEEG dataであるが、spectral powerについては両群、条件間で有意な差はみられなかった。

両群で顕著な差が出現したのは、phase synchronizationだ。control群では、β帯域(10-30hz)で2つのピーク(1つ目は刺激提示後200ms、2つ目は400-600ms後)が出現しており、いずれもno-face conditionよりface conditionで増強した。
しかし、Schizophrenia群ではβ帯域の2つのピークは、control群よりも遅延していた。1つ目は350-400ms後に出現し、2つ目は600ms後に出現した。また、PLV値もcontrol群より低下していた。γ帯域(30-80Hz)では、control群ではみられなかったdesynchronization(脱同期)が200-280ms後に出現していた。

さらに、neural synchronizatitonのtopographyを解析したところ、control群ではface conditionで刺激提示後200msよりfrontal、temporal、parieto-occipitalに及ぶ広域のsynchronizationが出現しているのに対し、Schizophrenia群ではこのような広域の同期現象はみとめられなかった。

これらSchizophrenia群のPLV値は、PANSS上の症候学的プロフィールともよく相関していた。face conditionでPANSSのfactor positiveとの相関(P=0.04)がみられ、特に幻覚(p=0.01)と妄想(p=0.02)において強い相関が確認された。一方で、spectral powerとPANSSの各スコアとの間に有意な相関はみられなかった。また、PLV値とmedication dosageやonseとの間にも、有意な相関はみられなかった。

以上より、Schizophrenia患者では、Gestalt face perception課題下にEEGで記録されるβ帯域のneural synchronyが遷延かつ減弱しているだけでなく、synchronizationのmaintenanceも障害されていると結論づけられる。

Uhlhaasは、これらの結果を踏まえ、Schizphreniaの中核的な病理は、脳内の神経活動の広域の統合過程が障害されていることだ推測している。


ちなみに、先行研究としては、Harvard大学のSpencerらのグループがあげられる。彼らも同じくvisual Gestalt stimuliとEEGを用いてSchizophrenia患者のneural synchronizationを調べている。しかし、Spencerらの実験では主にγ帯域のsynchronizationが減弱し、これよりも低い周波数帯域のsynchronizationは比較的保たれていたという結果が得られており、Uhlhaasらの結果とは相反するものだ。Spencerらがresponseにlockさせて加算平均しているの対し、Uhlhaasらは従来通りstimuliにlockさせて加算平均していることが、両者の違いの一因かもしれない。

今日の音楽:Odd Nosdam"Burner"(CD)
Odd Nosdamは、Boards of canadaの"Dayvan cowboy"のremixをしていた音響エレクトロニカのアーティスト。

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