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2007年11月

2007年11月30日 (金)

Kettel

最近は、体調、頭ともに今イチだが、耳の調子は良い。

論文だけはちょこちょこと読んでいる。
最近読んだ、意識関連の論文をピックアップ。上二つは共にDehaeneのグループ。
Del CulのPLoS論文は、凄まじい内容。

Del Cul A, Baillet S, Dehaene S.
Brain dynamics underlying the nonlinear threshold for access to consciousness.
PLoS Biol. 2007 Sep 25;5(10)

Kouider S, Dehaene S.
Levels of processing during non-conscious perception: a critical review of visual masking.
Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci. 2007 May 29;362(1481):857-75

Kranczioch C, Debener S, Maye A, Engel AK.
Temporal dynamics of access to consciousness in the attentional blink.
Neuroimage. 2007 Sep 1;37(3):947-55. Epub 2007 Jun 7.

462今日の音楽:Kettel/ Volleyed Iron (CD, U-Cover Recoreds, Belgium, 2004)
最近のヘヴィローテーションは、オランダ人の一人エレクトロニカユニット、Kettelの一連の作品。ファーストの"Through Friendly Waters"のように、彼の作品は、エフェクト音や変調を多様した、まるでおもちゃ箱のような実験性とアイデアと意外性に富んだものが多いのだけれど、この"Volleyd Iron"はKettelが純粋にアンビエント、アブストラクトに挑んだ作品。これが、大変すばらしい内容。ビートレスでつなぎ目の無いアンビエントノイズの上に、様々な生活音の断片が散りばめられていて、ひんやりとした音感なのに情感が豊か。静かで抑制のきいたドキュメンタリーフィルムを観ているような印象を与える。Manualとか、Kettelなどを聴いていると、僕が昔ぼんやりと抱いていた電子音響音楽の未来とは全く異なる方向に進んでいる気がして、楽しみでならない。

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2007年11月11日 (日)

insight

最近は、変な咳が続いて体調が悪い上に、病院の仕事でもストレスが多くて、何だか調子が上がらない日々が続く。

来年度からの研究を控え、最近は色々と実験デザインを考えているのだが、これがなかなか苦戦している。
特に、新しいタスクのアイデアがなかなか思いつかない。

最初の実験では、意識にはこだわらずに、できるだけまとまった結果がでやすい実験をやりたいのだが、今のところ、平凡におもいつく限りのタスクは既にインテンシブに調べ尽くされている、と、既に弱腰な気分。
一回でも何か出来れば、流れは変わるだろうと思うのだが。

その中で、これは出来るかもしれないなあと思うのが、"insight"。

Kounios J, Fleck JI, Green DL, Payne L, Stevenson JL, Bowden EM, Jung-Beeman M.
The origins of insight in resting-state brain activity.
Neuropsychologia. 2007 Jul 27

Jung-Beeman M, Bowden EM, Haberman J, Frymiare JL, Arambel-Liu S, Greenblatt R, Reber PJ, Kounios J.
Neural activity when people solve verbal problems with insight.
PLoS Biol. 2004 Apr;2(4):E97. Epub 2004 Apr 13.

insightは、心理学の領域では問題解決のストラテジーの一つとして長い歴史をもつ研究テーマなのだが、brain-imaging(EEG、f-MRI、MEG)を使った研究はまだそれほど多くない、というのが最大の理由。

insightを伴う問題解決では、ある問題に対する解答が突然アウェアネスに上る(aha experiece)。これに対して、analyticな問題解決のストラテジーは、終始意識下に進行し、段階的に解答へと至る。したがって、insightとanalytic solutionは、problem solvingにおけるconscious processingとsub-conscious processingという観点から捉えることができそうだ。

さきほど、意識にはこだわらない、と書いたが、insight/problem solvingという観点から、意識の問題に入っていくこともできるかもしれないというのが、僕が興味をもったもう一つの理由。

問題の種類にもよるが、ヒントを与えることによって、sudden insightが生じるまでの時間を一定の範囲内におさめることも可能だ。ヒントを与えないのであれば、responseにタイムロックさせて加算平均するのでもよいかもしれない。個人的には、ERPだけでなく、frequency別のpower spectrum解析、可能ならsynchronizationを調べてみたいのだが、それは解析ソフト次第か。

何よりも、sudden insightを導くような問題、しかも短時間、ローコストでできるようなものを考案できるか、というのが最も重要な点。これまでの先行研究で使われているのは、アナグラム、compound remote associatiton(CRA) problem、ナゾナゾなどだ。
この中では、二番目のCRAが最もEEG研究に適しているのだが、これよりも良い問題がないかどうか、今考えているところ。
案外、意外なところにヒントがあるかもしれない。

そういえば、茂木氏が、aha experieceの際には、脳内の神経活動が一斉に活動するということを言っているが、僕が知る限り、問題解決やinsightに関連した研究でそのような報告をしたものは今のところない。おそらく、Tallon-Baudryらのダルメシアンの絵を使った研究のことを指しているのだろうが、あれはコヒーレントな知覚パタンの成立、不成立というobject recognitionに関する実験で、確かinsightが生じる瞬間を捉えたものではなかったような気がする。

今日の音楽:Manual "Ascend"(LP)
4103ay2jael_aa240_最近、部屋の占拠していたレコードとCDを大量に売り払ったのだが、この行為が逆にレコード熱を再び上げてしまった。で、懲りずに購入してしまったのが、このレコード。Reminiscent driveやFenneszのような郷愁を帯びたエレクトロニカが、この季節によく合う。夕暮れの時間に聴くと、時間の経過が限りなく延長してゆく。

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