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2007年12月

2007年12月30日 (日)

2007年

明日からしばらく徳島の実家に帰省。
予定は決めていないけど、香川の善通寺、室戸岬近くの御厨人窟、徳島の太龍寺など、空海にまつわる史跡をめぐってみようと思う。実家の猫たちに会うのも楽しみの一つ。

2007年の後半は色々なことがあってブログへの投稿ペースがかなり失速したけど、振り返ってみれば、これまで同じペースで相変わらず論文や本は読み続けていたとは思う。ただし、乱読、雑読ではあった。今年に入ってから読んだBuzsakiの"Rhythm of brain"とか、凄い内容だったなあ。時間があれば、あれはもう一度読んでみたい。insightに関する一連の研究で、意識への神経科学的アプローチが、決して間口の狭いものでは無いんだと思った。RT先生と一緒に書いた社会脳の総説をきっかけに、かなりの量の論文を読んだのだが、同じく総説を書く必要から調べたサヴァン症候群の研究とも重なって、今後は意識以外の諸問題の動向も追わなきゃ、と強く思った次第。あと、ネットワーク関連でSporns、Achard、CJ Stamらの研究をちゃんと知ったのも、大きかったなあ。social neuroscienceや、彼らのやっているようなネットワークサイエンスが精神医学の領域もでもはっきりとした潮流になるだろうなと確信はしているのだけど、2007年の後半に関しては、これらのテーマをいったん棚上げにして、とにかくEEGやMEGに関する実験デザイン、方法論を頭に叩き込むのに徹していた。
とにかく、来年からは自分でやらなきゃ。
あと、臨床については、何かと同僚に迷惑をかけた、反省点の多い一年だった。

ちなみに、今年一番の頑張りは、槍ヶ岳登山か。

51wjido9nol_ss500_音楽的生活については、とても充実した一年だったと思う。Hammock"Raising Your Voice...Trying to Stop an Echo"、Manualの"Lost Days, Open Skies And Streaming Tides"(2007)、Kettelの"Volleyed iron"(2005)、Halcaliの"サイボーグ俺達”(2007)、Blast Headの"Head Music"(2001)、レイ・ハラカミの"暗やみの色"(2007)などなど。

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2007年12月12日 (水)

change blindness

Pourtois G, De Pretto M, Hauert CA, Vuilleumier P.
Time course of brain activity during change blindness and change awareness: performance is predicted by neural events before change onset.
J Cogn Neurosci. 2006 Dec;18(12):2108-29.

最近は、visual perceptionに関するEEG studyの論文を読みあさっている。

これは、"change blindness"に関連したERP(event-related potentials) study。

change blindnessは、僕たちが日常生活で良く体験するもので、例えば提示された写真の内容にゆっくりと生じた変化に対してはしばしば意識的に知覚できないことがある、というもの。

change blindnessに関しては、これまでf-MRIを使ったイメージング実験が数多く行われている。特に、C.D. FrithのグループのD.M.BeckによるNature論文が有名だろう(まだアブストしか読んでないが)。しかし、EEGやMEGを用いた研究は比較的少なく、change blindnessもしくはchange detectionに関連した神経活動の時間的シークエンスはまだまだ不明な点も多い。

この実験では、視覚刺激(この実験では顔写真)が脳の中でたどっていくchange blindness/change detectionという二つの運命が、神経活動の複数のプロセシングステージにまたがって起きていることが示されている。特に、面白かったのは、視覚刺激に対する知覚プロセスがchange blindness/change detectionと分岐する大分前の段階から、両群に神経活動上の違いが現れているという結果だ。

すなわち、change blindness/change detectionの両群での神経活動パタンの違いは、一つ目の視覚刺激(S1)に対するP1、CNV-like potentialsのenhancement(change blindness>change detection)、二つ目の視覚刺激(S2)に対するN170、P3のamplitudeのmodulationとして現れてくる。言うまでもなく、前者はchange blindness/change detectionが生じる前(200ms以上前)に起きているイベントだ。

また、両者のtopographyの違いも特徴的だ。この実験では、standard spatial cluster analysisという解析方法を使っており(ただし、妥当性については不明で、怪しい点もあり)、change blindnessとcorrect no-change detectionではS1、S2に対して似たような分布パタンが反復するものの、ちゃんとchange detectionが起きた場合には、S1、S2で異なる分布パタンが出現することがおおざっぱに示されている。著者らは、結果的にchange detectionが生じない場合(change blindnessとcorrect no-change detection)ではS1、S2という連続する二つの視覚刺激に対して共通の神経回路が動員され、結果的にchange detectionが生じた場合には異なる神経回路が動員されるのだ、とshort-term memoryの観点からこのデータを解釈している。視覚刺激がその処理過程で異なる知覚的出力に分岐する以前から神経活動パタン上の分岐がみられるという結果は、Tallon-Baudryのダルメシアンの絵を使った実験やinsightの実験とも重なってくる。

51wlfdicokl_aa240_今日の音楽:V.A/Pop Ambient(LP,CD, 2007)今年も、KompactレーベルからPop Ambientがリリースされる季節になった。これまた、良質のアンビエント。いつも信頼しているけど、絶対裏切らない。

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