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2008年2月19日 (火)

先々週の日曜日に、友人とともに中央アルプスの駒ヶ岳を訪れた。
去年も同じ友人と訪れたのだが、今年は一工夫して、携帯コンロとコーヒー、ソーセージなどをもちこんだ。人生で五本の指に入る美味しいコーヒーであった。

山が好きだ。
僕は、登るのよりも、近くから眺めるのが好きだ。
以下、自問自答。

「最も美しい山は?」 「ナムチャバルワ」。ヒマラヤの最東端に位置する標高7782m(世界第15位)の山だ。つい最近まで世界最高峰の未踏峰であり続けたが、1992年に日中合同登山隊が初登頂に成功した。「超槍ヶ岳状態」。というか、もはや槍ヶ岳など遥かに後方に置き去りにしてしまうくらい、完璧に均整のとれた山だ。この山の写真はどれだけ眺めていても飽きない。

「最も神々しい山は?」 「カイラス」。6656m(未踏峰)。西チベットにある霊峰。昔からヒンドゥー教や仏教の聖地として崇められ、また近年はバックパッカーの憧れであり続けている。たどり着くのが大変な分だけ、感動も大きいのだという。僕もいつかこの山をコルラ(一周)してみたいと思っている。

「最も美しい山脈は?」 「カラコルム山脈」。K2(8611m)やナンガパルパット(8125m)など、非情だけれども美しい山をいくつも擁する。一昨年、僕はカラコルムハイウェイを旅して、パキスタンのイスラマバードから中国のカシュガルまで抜けた。その途中に眺めていた山々の光景は、悲しいかなもはや現実とは思えなくなってしまった。カラコルム山脈の奥地には、フンザという、山を眺めながらひたすら沈没するのに適した谷があることでバックパッカーに有名だ。

「いつか行ってみたい山は?」 「ナンダ•デヴィ」。北インドのチベット国境寄りに位置する標高7816mの山だ。日印合同登山隊が1976年に初登頂に成功したのだけれど、現在登山は禁止されている。ナンダデヴィとは、「女神の住む山」という意味で、ヒンドゥー教のシヴァ神の妻であるパールバティのおわす山と信じられている。山の美しさもさることながら、麓には花の谷という、およそ僕らの想像を絶する美しい谷がある。

「最もなじみのある山は?」 「眉山(290m)と剣山(1955m)」。いずれも徳島の山で、小さい頃から眺めたり、登っていた山だ。四国山地の山は小ぶりではあるけど、険しい山が多い。ちょっと分け入るとたちまち急峻な山に囲まれてしまい、緊張感が高まる。昔から山岳修行の地として有名で、文化的にも色々と興味深いものが多い。

遊びばかりじゃいけないので、実験関連の勉強も。

このブログでもたびたび書いてきたように、consciousnessの成立過程の一端を解きほぐせるような実験をしたいと思っているのだが、そう簡単にはうまいアイデアは思い浮かばない。

binocular rivalryにせよ、attentional blinkにせよ、change blindnessにせよ、backward maskingにせよ、最近話題のcontinuous flash suppressionにせよ、実験を行うには共通の条件下でconscious/unconsciousという二つのoutputを生み出す何らかのパラダイムが必要なのだが、これを自分で考案するのは時間と実力と運次第というところがある。

もう一つ、consciousnessとattentionのようにベクトルを二つもってきて、その相互作用や、神経活動に対するmodulationを調べるという戦略もこの10年くらいの主流だ。しかし、色々と調べているが、今の僕に思いつきそうな実験は、ほとんど既に手をつけられているように思えてしまう。

その中で、比較的未開拓な領域はどこかと考えてみると、consciousnessとemotionの関係だと思う。
ひとまず、その路線で考えてみたい。

Trippe RH, Hewig J, Heydel C, Hecht H, Miltner WH.
Attentional Blink to emotional and threatening pictures in spider phobics: electrophysiology and behavior.
Brain Res. 2007 May 7;1148:149-60. Epub 2007 Feb 24.

実験デザインの参考になる。

Anderson AK, Phelps EA.
Lesions of the human amygdala impair enhanced perception of emotionally salient events.
Nature. 2001 May 17;411(6835):305-9.

consciousnessとemotionの研究の嚆矢となった実験。RVSPでaversive stimuliを提示した場合、amygdala損傷患者と健常被験者とで、percetptual enhancementの程度が異なるが、word meaningの理解は変わらないという結果。

Tsuchiya N, Adolphs R.
Emotion and consciousness.
Trends Cogn Sci. 2007 Apr;11(4):158-67. Epub 2007 Feb 26.

関連するレビュー。土屋氏は、attentionとconsciousnessに関する実験を行ったり、レビューを書いたりしていて、とても参考になる。何より、日本人が海外でこういう研究をやっているのをみると、勇気づけられる。

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風邪がすっごいよくなってきたにゃり〜♪もうちょっとで完全復活!!にゃんこの時代がやってきたにゃん!!!でもいっつも風邪は引き始めと治りかけがやばいんだよにゃぁ〜まだまだ寒いしきをつけにゃいとぉ〜にゃんこ [続きを読む]

受信: 2008年2月19日 (火) 08時16分

コメント

attentionとconsciousnessについては僕も大変興味があります。attentionにより脳活動が変化する(抽象的すぎますが・・)といった文献は多数拝見するのですが、attentionと運動といったもの、環境(対象)にattentionを向けることにより行為や運動、末梢器官といったもの(out-put)が変化するといった文献をなかな拝見しないのですが、もしご存じあればご紹介いただきたく思いまして・・・いきなりこのようなコメント申し訳ありません。

投稿 science | 2008年2月19日 (火) 14時25分

scienceさん
たとえばfMRIやEEGでattentionにより、neural activityがenhanceされるとか、特定の周波数帯域の同期が増強するという論文は、おおかた出尽くした感がありますね。ただ、僕はbehavioralな研究の方はかなりうといので、scienceさんのいうような実験はほとんど知りません。ただ、self-awareness関連でちょっと方向は変わりますが、たとえばサルに棒をもたせると、サルの身体感覚の意識もしくは注意が、指から棒の先まで延長するという古典的な実験はありましたね(たしか、入来先生の「道具をもつサル」というタイトルの本に詳しく書いてあります)。また、Ramachandranの幻肢痛の実験で、鏡の入った箱に健常上肢と切断した上肢を入れると、症状が和らぐという実験もありました。これらは、いずれも入力情報の変化に応じて、中枢神経(もしかすると末梢器官まで)の反応性が変化すると理解できます。attentionとは直接関連ありませんが、attentionのfocusに応じて環境からの入力情報が変化した際に、末梢の知覚や運動感覚が変容すると言い換えることができそうです。

投稿 わるねこ | 2008年2月20日 (水) 00時46分

御返事いただいているのにコメント遅くなって申し訳ありません。仕事が忙しく御拝見するのが遅くなってしまいました。入来先生の道具を使うサルですね。もう一度読み直してみます。Ramachandranの幻視痛でミラーボックスを用いた実験で痛みが解消するといったこともわるねこさんがおっしゃられるようにミラーボックスを用いて中枢神経の反応性が変化したと思われますね。幻視痛というのも四肢を動かそうという意図に対して、期待された感覚が得られない、運動と意図の結果の不一致のために生じると考えると、鏡を用いて視覚的に運動感覚に注意を向けるといったことが中枢神経系に変化をもたらしたと考えられると思います。あとHarrisが視覚だけでなく、意図と運動覚との不一致も幻視痛をはじめとする中枢性疼痛の原因になると述べており、視覚のみならず、体性感覚(触覚、圧覚、運動覚、重量覚)といったものにselective attentionを向けることで中枢神経系が変容し、learningやactionといったものにも変化がみられるのではと思います。しかし、behavioralな研究になると少し抽象的になりがちなので、やはり厳密さが問われますね。。。

投稿 science | 2008年3月 9日 (日) 20時53分

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